自己顔混合エージェントの笑顔と専門性がやる気に及ぼす影響の評価

2022年10月19日 – 11:27 AM

 現在、高齢者の健康寿命延伸が求められており、そのためにはリハビリなどの運動を意欲的に行うことが重要です。リハビリ等の運動課題のトレーナーとして、今後、人とインタラクション(コミュニケーション)する電子的エージェント(以下,エージェント)が用いられると想定されますが、それらにはトレーニーの意欲向上を引き出す要素の導入が求められています。本研究ではそのようなエージェントを実現する印象的要因として、人体の顔や上半身を表示するエージェントを想定し、ユーザの顔の要素を混 ぜる自己顔混合・エージェントの笑顔及び専門知識を加味した発言による専門性付加の 3 要素に注目しました。この3要素を付与することにより、ユーザがエージェントに抱く印象を変化させ、結果やる気を高めることができるかを検証しました。そこで、それら3 要素を実現したエージェントと高齢の被験者とのインタラクション実験を通じ、被験者が エージェントに抱く印象及び実験中の身体計測種目へのやる気を評価しました。結果、今回の実験条件では,自己顔混合のみが被験者が抱くエージェントの印象に負の影響を及ぼすこと、エージェントに対し被験者が抱く信頼性がやる気に大きく関連していることが明らかになりました。本研究で得られた成果は、今後高齢者のやる気を向上させるエージェント開発の知見となり得ます。
 この研究で得られた知見も活かし、引き続き高齢者のやる気を高めるエージェントの実現を目指しています。

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